購買力では到底大手に勝てない?
中小規模のスーパーでは、どうひっくり返っても大手との価格勝負には勝てない。
というのも、大規模な購買をすることで、ボリュームディスカウントというカードを切れるから。ので、規模で劣る中小スーパーは質で勝負したり、品揃えで変化をつけたり、総菜でオリジナリティを出したりと色々と知恵を絞っています。
が、そんな常識をくつがえすのが新潟県に店を構えるスーパーラ・ムー。その圧巻の激安っぷりは大手スーパーさえも凌駕してまうというのですから、凄いの一言につきます。
うどん戦争勃発
約10年前に大手スーパーとの間、うどんの価格をめぐり激しいバトルが繰り広げられていました。
ラ・ムーが、超激安の1玉19円販売していた所、大手スーパーはさらにその下を行く1玉18円で販売。ラ・ムー潰しであることは明らかですが、この戦いを降りないのがラ・ムー。
最終的に大手がグーの音もでない1玉1円というトドメのカードを切るも、ラ・ムーは3玉1円という、特大逆転満塁ホームランを繰り出し、このうどん戦争に勝利しました。
大手スーパーでも価格勝負できるという大きな自信につながったというのは言うまでもありません。
強さの源泉はスーパーのユニクロ?
ラ・ムーがここまで価格が強いのは、自社で製造工場を抱えているから。ユニクロように製販一気通貫の仕組みをスーパーでも導入しているのです。
うどん戦争も当初は生産委託していましたが、自社工場で生産することで、この戦いに勝利することができました。
需要の多い食品は自社生産のものが多く、とにかく驚きの価格。食パンが3斤分で198円、豆腐や納豆は3パックで50円を切るとか。ここまでロープライスとなるとさすがに大手スーパーでさえ勝負を避けたがることでしょう。
思いつきじゃないよ。緻密なデータで商品管理
ラ・ムーの強さは自社工場だけに留まりません。過去の販売データ、天候、イベント、テレビ番組の内容、これらのデータを緻密に分析して適正な数量を割り出しているとか。
ローコストの生命線とも言える廃棄ロスをなくす徹底っぷりが凄い。
さらに外部要因、売れ残りが続くようであれば、競合店舗に流れている可能性が高いと仮説を立て、これまたじっくりと分析を行うとか。
ある程度の確証が得られれば、じゃ、ウチでもやってみようかと検証作業が迅速に進められる。検証用の専門部隊もあるというのですから、変化への強さも備えています。
ロープライスを継続させる術が凄い
激安を武器にした小売店はこれまで数多くニュースなどで取り上げていましたが、そう長くは続かないという印象を受けます。
それって、どこか無理している所があるんでしょう。
ところが、ラ・ムーの場合、ローコストを持続させていく仕組みが整っており、かつ変化にも柔軟に対応できる体制が整っています。
スーパーに限らず、これって他のビジネスにも応用できるかなと思った次第です。