フェイクミート大流行
テレビ番組でもよく見かけるフェイクミート。本来の食材ではなく別の食材を使い、食感や味を再現するというもの。
これが番組の企画ではなく、海外ではビジネスとして成立しているというのだから驚きました。
特にここ2-3年で注目を集めるのが、大豆を使ったお肉。2019年5月、このお肉を扱ったビヨンドミート上場したのは記憶に新しいかと思います。
海外勢の目の付け所は相変わらず先を行っていると感心しましたが、実は日本でも、大豆を使ったフェイクミートの開発が進んでいたんです。
発祥は海外ではなく日本だよ
開発元は、チョコレート油脂で世界トップ3のシェアを誇る不二製油。
フェイク肉の開発は60年も前から進められていたとか。
当時は誰も目もくれない日陰の商品。
が、創業者いわく、将来的に食料不足が起こり得る。今の君の世代ではピンとこないけど、子供、孫、その下の世代の時になった時に、フェイク肉が食糧危機の救世主となるだろうと。
この教えを60年間守り通してこれたとういうのは、企業の懐の深さと言ってもいいでしょう。
失敗の連続で始末書とは・・・
というのも、とにかくフェイク肉は全くもって売れない。
新しい食文化過ぎたのか、啓蒙という形で、ベジタリアンという切り口で動画を作るも、バイヤーを説得するには至らず・・・。
動画制作担当者は、制作費3000万円をかけたのに、それに見合った結果を出せず、始末書を書かされるという憂き目に。
やっと時代が追いつてきた
動画制作の失敗から25年以上の歳月を経た今、やっと時代が不二製油の考えに追いつてきたのでしょう。
今では、フェイク肉を扱った惣菜店も出店。取引先からはフェイク肉を扱った商品開発の依頼がひきりなしに起きています。
この状況を受け、専用工場を建設するまでにフェイク肉は育つこととなるのです。
60年も諦めずに続けてきたのが凄い
よくお蔵入りしてしまった商品を、技術者が会社の目を盗んで、シコシコと改良を加え、再び世に発表する機会を得るというのは、よく聞く話ですが、それも数年、長くても数十年といったところでしょう。
不二製油の場合は、60年というサラリーマン人生の約2倍。よく創業者の教えが途切れることなく、次の世代に受け継がれていったというのが凄いですね。
日本ハムや伊藤ハムもこの分野に進出してきており、今後、フェイク肉の競争は激しくなるかと思いますが、60年間の経験、知恵、ノウハウはどの企業も太刀打ちできないのではないでしょうか。
とにかく一度は、フェイク肉を味わってみたい。
というか、既に味わっているかもしれません。それほど精度が高いみたいなので・・・。