アジアNO.1の金融市場。香港が・・・
世界の金融市場と言えばイギリスでロンドン、アメリカではウォール街、そしてアジアでは香港。
その香港株式市場の時価総額は6月末時点で約500兆円。世界レベルの時価総額ですが、中国政府の影響が深まるにつれて金融企業が今後撤退していくのではと懸念されています。
このような状況で、虎視眈々と香港の後釜を狙おうとしているのが日本。それも東京ではなく、地方都市でその狼煙が上がっています。
大阪、神戸、福岡の「金融特区構想」
政府は2020年8月から、大阪、神戸、福岡を金融特区に指定して、国際金融機能を持たせ、人材を誘致する体制づくりを検討しはじめました。
本格的にアジアNO.1の座を狙いに行く意図が感じられますが、この話、今に始まった話ではなく、これまで何度か話には出るものの遅々として進まなかったのが現状です。
というのも、政治家たちが、どうも前向きではない。お金がらみの政策は有権者受けが悪いからとのこと。
てなわけで、遅々として進まない状況に業を煮やしたのか、はたまた香港の勢いが失われたのか定かではありませんが、国が本格的に介入して推進することとなったのです。
SBIの北尾さんも大歓迎
この金融特区構想、民間レベルでも大歓迎の様子で、かのSBIの北尾さんは「ブロックチェーン技術を活用したデジタル証券の取引所を開設したい」とコメント。
この地が日本のフィンテックの聖地と呼ばれる事を夢見た話にもとれますが、業界関係者からは地銀再編も視野に入れた動きではとも言われています。
菅さんになって再編が叫ばれる地銀にとって、この金融特区をきっかけに別物に生まれ変わるチャンスかもしれませんね。
本命、東京も黙っちゃいないよ
地方で盛り上がりを見せるアジアNO.1金融市場作戦ですが、東京はこの動きをどう見ているのか。
既に国際金融市場として様々な施策を展開中。外国企業の誘致も積極的である意味、一歩リードといった感じ。
中の人曰く、大阪、神戸、福岡の金融特区の動きに対して、「東京に匹敵する金融インフラをゼロからつくるのは難しい。あくまでも東京が持つ金融機能の補完的役割という位置づけになるのでは」とまさに王者の貫禄。
国を挙げてのNO.1奪取がようやく始動
これまでは選挙受けが悪いということで、中々積極的に取り組まなかった国際金融市場の動きですが、国が本格的に動き出したこと、そして民間もウェルカム状態であることから、活動のスピードもかなり高まるのでないかと思います。
金融をきっかけに国際化する日本の姿をこの目で見てみたいものです。いつその日が来るのかわかりませんが・・・。