現地企業との提携解消
販路を持たないメーカーが、海外に進出した場合、イチから販売網を構築するよりも現地企業と提携して、販売網を構築した方が手っ取り早い。
日用品メーカーもそれに倣い、中国進出の際は現地企業と提携しました。提携先は1000にも及ぶ都市に販売店を持つわけですから、花王にとっては強い援軍を得たようなものでした。
イマイチ伸びない取扱店
この提携がなったのが2011年。それから約5年経ったわけですが、当初期待した通りの成果がイマイチ見込めない。販売店も増えずじまいで、先を行くP&Gやユニ・チャームとの差は縮まらない。
結果、2016年にはこの提携を解消となりました。理由は花王単体でも十分売り上げが立つと踏んだからでしょう。
理由はEC販路
日本に比べ販売網が未熟な中国。内陸部に行けば、車を飛ばさないとお買い物ができないような人は多い。
というお国事情もありECの利用者が急増。
そこに目をつけたのが花王。2011年、リアルな販路と平行して、アリババのTモールにも出店。リアルとバーチャールの両面で中国攻略にとりかかりました。
2013年には、並行輸入品の「メリーズ」がバカ売れ。紙おむつの4割がEC経由までに成長したわけです。
ならば、リアルな店舗網よりもコストの安いECに注力するのは自明の理。
5割のシェアの花王
今では、高価格帯の紙おむつ分野では、ユニ・チャームやP&Gを抑えた堂々のシェアNO.1。5割近いシェアを誇り他を寄せ付けないほどの強さを発揮しています。
中国の中間層急増に呼応するかのように、見事の時流に乗ったとも言えます。
波及効果も期待できる
ネットで成功は、花王の他の商材にも波及するという相乗効果もあり、ブランド浸透に一役買っている模様。加えて、販売店からも、ウチでも取り扱いたいの問い合わせがあるなど、メーカーにとっては嬉しい悲鳴でしょう。
小売店スタッフの教育に時間とコストをかけずして、お客から「○○はないの?」と問い合わせることに成功している訳ですから・・
まとめ
今回の花王の成功で見たように、進出国によっては販路の見極めは大事かなと思った次第です。
販路が未熟でECが成熟しているのであれば、EC販路を強化していくべき。コストもリアルに比べ安く上がりますし。
とは言うものの、ECは、ECで競合他社も多く、いかに他社に埋もれず認知させていくかが肝になるようで、それはそれでコストもかかるみたいです。
とにかく中国の攻略にはECは欠かせない販路であることを学びました。