海外生産シフトは劇薬

安の恩恵は今や昔

2015年の円安2000年の円安と比べ大きく異なる。2000年の頃は国内に生産工場を持っていたので輸出で潤う。けれど2015年は生産工場を海外に設けているので、円安のうまみはほとんどない。

むしろ、悪影響が出ているという企業も・・・

貿易収支悪化

2000年時点で10%の円安・ドル高は日本の貿易黒字を1.6兆円拡大させたものの、2014年のそれは1.5兆円悪化させるという残念ね結果が出ています。

貿易収支全体で見ると、円安はあまり日本企業にとっては好ましいものではないように映ります。

ソニーも被害を被る会社の1社。

ソニーもこの貿易収支状態に似たような感し。2001年当時、1円円安に振れれば営業利益は年間80億円増える構造でした。国内に生産拠点を多く持ち、携帯電話やテレビは日本から輸出という構造。

が、円高時代に突入し、こいつは長期化しそうだとふみ、生産拠点を海外に切り替え。スマートフォンを中国生産に切り替え、テレビも海外の工場に移管。

この海外シフトが功を奏し、2011~2012年は為替の影響を受けずに済んだのですが、2013年の円安局面に入ると事態は急転。

海外生産分がおもいの他、コストがかかり、利益を押し下げることに。

1円円安に触れると連結営業利益は約70億円押し下げるとも言われています。

三菱重工業も海外生産にシフト

三菱電機のヒット商品「ビーバーエアコン」も、国内生産から海外に生産拠点をシフトした製品。移管先はタイ。現在はタイから日本や欧州、アジアなどに輸出されています。

こちらも、円高時代は良かったけれど、円安の今、想定外にコストがかさむ状況に陥り、苦労されている模様です。

青天の霹靂、国内回帰

地方経済を活性化させてきた生産工場でしたが、円高時代に工場閉鎖が相次ぎ、日本のモノづくりは終わちゃったかなと思いましたが、ところがどっこいここに来て国内生産工場を戻す動きが活発化。

ソニーが世界シェア首位の画像センサーの国内工場を増強したり、オムロンが家庭用血圧計の一部を中国から国内に移管。ダイキン工業がエアコン部品の一部を中国から国内に戻すと国内回帰する企業がポツポツと増え始めています。

すべてが国内に戻すではないけれど・・・

と言っても、この円安傾向が未来永劫続くとも思わないし、リスク分散という意味合いが強いでしょう。

けど、国内に生産拠点が戻るのはいいこと。少なからず地方経済活性化にもなるわけですし。

超円高で、加えて海外に比べて日本企業は六重苦やら七重苦と言われ、海外シフトが加速していた時に、トヨタが東北の工場を建てたのは今思うと、先見の明があったとしか思いません。

日本のモノづくりを守るという強い意思が、結果的に企業の成長に寄与しているんだなとシミジミと感じた次第です。

この円安をきっかけに日本のモノづくりが少しでも元気づけばよいのですが。

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