強烈なカリスマを失う
ゴーンさん逮捕で手のひらを返したのごとく批判のやまないマスコミ。カリスマ経営者と持ち上げていたのに、何とも残酷な世界だなと。
とは言え、倒産の危機に瀕していた日産を立て直したのは紛れもない事実であり、そこは評価しても良いのでは。
ゴーンさんが就任する1995年から1999年の日産の商品ライナップの迷走っぷりは目を覆うばかりで、クルマファンとしてもどうした日産と首をかしげるものばかり。
が、商品開発はさておき、ゴーンさんによる改革は一定の成果を上げ、経営危機から脱することができました。
保有台数が減っている
新聞、テレビでは三菱とのアライアンス、電気自動車の開発など日産絶好調という雰囲気が漂っていましたが、個人的には正直この状況が不思議でなりませんでした。
というのも、日産車に欲しいと思うクルマがない。
コンパクトカー、SUV、ミニバン、どれもトヨタやホンダのそれに比べるとデザイン、性能面では見劣りするものばかり。
と僕だけがそう思っているのかと思いましたが、メーカー別の保有台数を見て、もしかして他の人も感じていたいの?と思いました。
2008年と2018年のメーカー別の保有台数を比較すると、トヨタ、ホンダは台数を増やしているものの、日産は数字を落としています。
考えられることは2つ。まず日産ユーザーが乗り換える時に他車に逃げてしまっている。これは致命的ですね。自社のクルマで継続して乗り換えさせるのはある意味、カーメーカーにとっては生命線とも言えます。
乗り換えるまでに点検整備などで売上も見込めますし、それがないとなるとクルマ販売で経営を成り立たせないといけない。
ディーラーにとっても、これはしんどい話です。
2つ目は、新規ユーザーが取れていない。先に挙げた点よりも、ハードルが高くなりますが、ここもしっかり取り込んでいかないと、保湯台数の維持、増加が見込めません。
新規を取れないというのは、商品が他車に比べて見劣りするとしか思えません。
海外も苦戦続き
新規ユーザーが取れない理由は他にも新車発売が圧倒的に少ないというのも挙げられます。2018年は新車と呼べるようなクルマの発売はほぼゼロ。直近では遡ること2017年のリーフ位。2018年はセレナの車種追加にとどまっています。
全世界で見ると日本市場のシェアは1割。ので、力の入れ具合は海外よりも控えめになるのは致し方ないところですが、頼みの北米や中国も苦戦を強いられているようで、この先の日産が不安でなりません。