海外市場開拓で一歩先ゆく味の素

東南アジア飲料食品メーカー

早くから海外市場を開拓

早くから海外進出を果たしていた味の素。業界では海外進出のお手本とまで言われているほど、その仕組が素晴らしい。

簡単に紹介するとこんな感じです。

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段階を踏んで拡大

日本で言えば、まずうまみ調味料の「味の素」で販路を開拓。それも現地スタッフが1件、1件お店を周り店主と交渉するというもの。そのような取り組みを通じてまずは販路の開拓を推し進めます。

で、ある程度、販路を拡大したら、今度は風味調味料の「ほんだし」、合わせ調味料の「CookDo」、冷凍食品とより付加価値と単価の高い商材を紹介していくという仕組み。

この仕組、販路開拓の段階で全てを紹介しようものなら、破綻しちゃいます。海の物とも山の物ともつかない海外の企業が飛び込みでやってきて、「ウチ、こんなに商品取り揃えていますねん、扱ってもらえます」なんて言われたら、まずは相手にされないでしょうね。

まずは、安い商品を武器にお客様の反応を見てもらって、飛ぶように売れたとなれば店主も、海の物とも山の物ともつかない会社でも徐々に信用してくる。

東南アジア

加えて、フェイスtoフェイスの交渉ともなれば、より担当の関係も親密にもなり、店主から「他にいい商材ないの」なんて、ありがたいことがをいただくこともできるでしょう。

こうして、特に東南アジアでは、この段階を踏んだ販路開拓が功を奏し、売上高拡大に貢献しています。

新しい戦略で海外攻略

が、今、味の素では、この必勝パターンを捨て新たな戦略を持って海外攻略を仕掛けています。

野球で行くところの盤石の必勝リレーを捨てて、先発投手一本で勝ちに行く、その位の大転換と言ってもいいでしょう。

それが全方位型の水平展開。

例えば「味の素」を例に取れば、味の素を核に、派生ブランドやら、販路向けの特殊な味の素をつくるようなものです。

つまり、販路開拓とブランド認知時期に一気に派生商品を展開して、市場を開拓していこうというもの。

これって従来の段階を踏んだ攻略の反省から生まれたと言えます。

東南アジア

段階を踏んだ戦略は確かに必勝リレーだけど、全てが完遂するまでに時間がかかりすぎ、5年とも言われています。

小刻みにリリーフピッチャーを投入すると試合時間が長くなるような感じ。

ならば、先発投手一本で早く決着をつけて、次の試合の準備をしましょうと。

そんな感じがしてなりません。

まとめ

2020年には海外売上を今の2-5倍にしていくという高い目標を掲げているとなると、流暢に5年も待ってられないというところでしょう。

加えて経済、政治などの影響を受けて大きく市場環境が変わることもある。5年のスパンでは機動的に対処できない。ならば短期決戦型の戦略の方が方向変換も迅速にできると踏んだのでは?

が、僕的には、このだんだん戦略がやたらと心に響き、これって仕事にも応用できるんじゃないのと思った次第です。

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