経営統合までの長い道のり 出光

ガソリンスタンドエネルギー業界

海賊と呼ばれた男で興味津津

出光をモデルとした人気小説海賊と呼ばれた男

社員は家族という社長の考えに会社の経営状態が苦しい時も一人もリストラせずに踏ん張ったりみせたり、第二次大戦後に外資の進出に国を相手に丁々発止を繰り広げたりと、とにかく出光という会社がとてつもなく凄い会社なんだなと思いました。

なので、昨今の昭和シェルとの経営統合で創業家と会社が対立している様子としては、あまり良い印象を持ちませんでした。

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一時は業界首位にまで躍り出る

海賊と呼ばれた男では、業界首位の日本石油がどちらかと言うと政府側。政府の方針に従うという構図で、それに真っ向からおかしいとぶつかっていったのが出光でした。

ので、1990年代半ばに日本石油を抜いて業界首位に立ったというのは、悲願達成という感じがして嬉しく思いました。

ところが、当時の出光はイケイケドンドンだったのでしょうか、拡大路線をひた走り製油所や給油所をバンバンつくり、借金はあれよあれよと膨れ上がり、約2兆円

海賊船が沈没するのでは?と周囲にささやかれるほど経営難に陥ってしまいました。

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株式上場の達成

このような危機的状況を受けて、2002年に創業以外の社長が誕生。2006年には外部資本の導入と株式上場の必要性を創業家に粘り強く説明し、承諾を得て株式上場を果たしました。

とは言うものの、拒否権を発動できる1/3の株式を創業家が保有するという条件付ではあったのですが。

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拒否権を巡る攻防

この条件が、後々会社側を苦しめることになったのは事実。昭和シェルとの経営統合もこの拒否権発動で何度も頓挫していきました。

ところが、そう簡単に諦めななかったのが会社側。あの手この手と手を尽くし、決めてとなったのは1200億円の増資。これにより創業家の持ち分を減らして、拒否権を発動できないようにしたわけです。

それを知った創業家は拒否権を取り戻すため株購入の資金調達に奔走すること。

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久々に登場村上さん

この泥試合に決着させたのが、あのlivedoor事件で一躍時の人となった投資家村上さん。

まるで薩長の間を取り持った坂本龍馬のごとく、両者の間を取り持ち、創業家が取締役2名を推薦ということと、2019年4月からの3カ年累計で最終利益目標5000億円の50%以上を株主に還元することを約束させました。

こうして、昭和シェルとの経営統合が実現したのでありました。

時代の変化に応じて、会社も変わっていかなければ生き残っていけないことを示唆している感じがしました。

個人的には、海賊と呼ばれた男の精神は息づいていってほしいと感じた次第です。

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