円高で減益。トヨタ
利益だけで1兆円?とぶったまげていたのも過去の話。あのトヨタが円高の影響で減益に陥ったというのが新聞で大々的に報じられていました。
アベノミクス以前は、円高に苦しむ製造業は海外に工場を建設するなど為替の影響を受けないよう対策を講じていたのに・・・。
円安ともなれば、国内回帰だとばかりに国内に生産工場を戻すという動きも見受けられました。
この為替に翻弄される製造業を見て、かわいそうにと思うのは僕だけではないはず。
が、この話、製造業に限った話ではなく生保業界にも悪影響を及ぼしているというのですから、のっぴきなりません
前年同期比軒並み減少。
主要生保会社8社中6社が対前年同期比でマイナス。
円高とマイナス金利の影響をもろにかぶったと言われています。
アベノミクスによる円安基調になってから、資産運用を、それまでの国債中心から、金利の高い外国債券や原油のパイプライン施設で運用する海外のインフラファンドなどへの投資にも運用の幅を広げていきました。
円安局面だからこそ為替による利益増しがあり、運用も順調に推移していたのですが円高局面になってからとうもの、運用も芳しくなく、今回の減益を招きました。
もっと怖いよ、逆ざや
で、減益の影響で怖いのが逆ざや現象。
生保は予定利率を基に契約者に対する保険料を計算。これが想定よりも低くなると、自腹を切って、足りない分を補填しないとならない。コレが逆ざや現象です。
この逆ざやは負の遺産でもあり、長く生保業界をくるしめてきました。
その歴史はバブル期まで遡り、当時は高利回りの商品を乱発していましたが、これが仇となり、長く自腹生活を余儀なくされ、2014年に逆ざやから卒業できました。
それからまだ2年も立っていないのに、またまた逆ざやに戻るのではと不安視されています。
窓販のパンチ力も減退
国内の保険料収入全体の目減りも悩みのたね。その多くは銀行の窓口販売が占めていましたが、銀行もマイナス金利の影響で、利回りを下げたり一部では販売を停止したりと苦戦続き。
明治安田生命は前年同期比39.2%、日生も26%減と苦戦を強いられています。
買収効果も限定的
国内の市場が先細る中、次なる食い扶持を求め海外にも進出しましたが、これまた円高の影響で、当初の想定していたリターンは見込めずという残念な結果を引き起こしています。
どうなる生保業界
といった具合に円高による悪影響が生保業界にも及び、国内型業態でも円高はよろしくないものだとあらためて実感しました。