売上は伸びているのに・・・
全国で約1000店を展開する100円ショップのワッツ
2019年8月期の業績は前期比約4%増の約500億円だったものの利益は何と約30%減の約7億円。
原因は家賃と人件費アップに加え、キャッシュレス対応費増が原因。
家賃は、新規出店や契約更新費用が発生したもの。人件費は最低賃金の上昇によるもの。
極めつけのキャッシュレス対応は、今回の消費増税の景気対策として施行されている5%還元が大きく影響しています。
といった具合に負のトリプルコンボで、売上は上がっているものの利益を大きく押し下げる格好となりました。
かきいれ時にまさかの台風
一方、需要増を見込みが大きく外れ業績が計画通りに進まなかったのが、業界3位のキャンドウ。
こちらも売上は伸びたものの利益は対前年比30%減。
消費増税を控えた9月の駆け込み需要を期待したものの、度重なる台風の直撃により思うように売上が伸びませんでした。
前回の消費増税の際は、前年同月比で13%増でしたが、今回は半分にも満たない約4%
そもそも、今回の増税は過去に比べ駆け込み需要が少なかったと各方面で言われていますが、それに追い打ちをかけるかのごとく台風の影響が大きくのしかかっととも言えます。
とりあえず物流費にメス
といった具体に100円ショップを取り巻く環境は年々厳しさを増しているのは事実。
例えばキャンドウでは、10本100円のボールペンを高機能に切り替えて1本100円にして、ブツの重量を下げることで物理的なサイズを抑え、より多くの輸送できるようにして物流費を抑えるなど涙ぐましい努力を重ねています。
高額品比率を高めるジレンマ
薄利多売の100円ビジネスからしれっと変容を勧めているのがワッツ
200円-1000円の商品にも力を入れ、今後取り扱い点数を増やしていくとのこと。
100円ショップとうたいながら、高額商品がチラホラ散見されるのは業界最大手のダイソーも同じ。
個人的には100円商品よりも優れているのであれば多少の金額アップは大歓迎。
どこか100円ショップは機能が不十分で我慢を強いられるものという認識があります。が、ちょっと高くなるとそういった我慢もなくなる気がします。
卵焼き用のプライパンは300円でしたが、実用に耐えうる質で重宝しています。
100円ショップの看板がなくなる日がくるかも
家賃、人件費、キャッシュレス対応と今後さらに厳しさを増す100円ショップを取り巻く環境
100円だからという価値にこだわるのではなく、安くて良いものという方向に舵を切った方がいいのかなと思った次第です。