歴史ある百貨店三越
三越百貨店のルーツは呉服店。当時は時価商売でしたが、それぞれに値札つけて販売するという当時としては活気的。今となっては当たり前の仕組みを初めて導入しました。
ので、百貨店業界の生ける伝説といも言いましょうか、歴史も長く業界では一目置かれる存在なわけです。
そんな由緒正しき百貨店が家電専門店ビックカメラをテナントに入れるということで大きな話題となっているというのが今回のお話です。
背に腹は代えられない
家電量販店となると派手なポップで、賑々しい店舗がまず頭に浮かびます。
一方の百貨店の売り場はそれはとは真逆の落ち着いた雰囲気で、売らんかなという前がかりな見え方はなし。慎ましささえ感じます。
そんな真逆のイメージなのに共存はありえるのかという疑問が残りますが、とにもかくにも低迷する百貨店業界にとっては背に腹は代えられないという事情もあるのでしょう。
集客力のあるテナントを入れるのは百貨店に限らずデパートも一緒。
そこまで追い詰められているという表れとも言えます。
渡りに船のビックカメラ
一方、ビックカメラにとっては願ってもないオファー。これまで駅チカを中心に、池袋、新宿などに出店してきましたが、日本橋は空白地帯でした。
物件探しに奔走していましたが、なかなか良い物件が見当たらない。
そんな中での三越からのテナントのオファーがもらえ、ビックカメラにとっても願ってもないチャンスを得ることができたのです。
優良顧客のつなぎとめにも
ビックカメラの誘致は集客の活性と見る向きもありますが、最も期待しているのは優良顧客のシェア拡大。
外商部といわれる専任スタッフが、顧客に合わせて商品を調達するわけですが、これまで三越で扱っていた商材を超えて家電購入にもその広がりを見せているとか
これまでも家電の引き合いはあり、需要ありというのはすでに折込済み。
ので、自社にビックカメラを入れることでより商売がしやすくなることは間違いないでしょう。
他の百貨店にも広がるを見せるのでは?
で、気になる店作りですが、これまでのビックカメラの店内装飾をあらため、三越イメージに合わせた落ち着いた雰囲気の店舗づくりになるとか。
商品も高級品を多く取り揃えるなど、店作りから品揃えまで三越仕様になるとのこと。
このようにビックカメラが三越に寄せた店舗づくりをすることで、他の百貨店でもウチにもぜひという声がかかるかもしれません。
これまた三越が業界初の試みとして語り継がれていくのでしょう。