80年代の輝きから一転。90年代は大変だったよ。セゾングループ

流通業界

企業の栄枯盛衰とは

東芝の危機という本を読んでからというもの、企業の栄枯盛衰の流れに深く興味を持つようになりました。今回注目したのが西武百貨店が中核のセゾングループ。グループ内には吉野家、西友、ファミリーマート、無印良品など今なお活躍著しい企業が並びます。それがひとつのグループに存在していたというのですから、今なお存続しているようであれば、イトーヨーカ堂、イオンに続く第三勢力も夢ではなかったのではと思っちゃたりします。

栄枯盛衰

暗転したのはバブル崩壊後

暗転した大きな原因は行き過ぎた多角化。本業の小売だけでなく、不動産、ホテル運営、レジャー施設の運営など幅広く展開。

グループオーナーの掲げる生活総合産業という理想実現に向け、グループ一丸となって取り組んでいました。

オーナーは多角化のリスクは百も承知。ただその変化を指を加えてじっと見ている方がむしろ危険。打って出てこそ危機を打開できると。

個人的には石橋を叩くよりも、このようなイケイケドンドンの方がむしろ好きな方。後先の事は、その時になって考えればいい。

けど、イチ営業マンの仕事ならまだ修正、リカバリーはできますが、会社経営ともなると話は別。

事業拡大に向け買収はするも、その資金はほぼ借り入れで、金利を返すのが精一杯というギリギリの状態でした。

そこにバブル崩壊が襲い、91年オーナー引退という事態にまで発展していきました。

バブル崩壊

本業の足をひっぱるグループ企業

グループの中核を担う百貨店では、借り入れで既に3000億円あるにもかかわらず、新規出店をさらに進めその費用が3000億円とのこと。急ぎ計画中止をグループオーナーに進言。が、時に既に遅しで出店計画は進められ、その店舗は2年で閉店に追い込まれるという惨憺たる結果でした。

さらに不動産、レジャー施設運営などを担うグループ企業の借り入れが膨らみに膨らみました。オーナー肝いりの会社だけであって潰したくない。が、銀行もバブルが崩壊した矢先で、早めに債権を回収したい。てなわけで、融資も渋られる始末で、グループ企業の出資などで延命させていこうとします。

が、当のグループ企業の役員は頑なに拒否。延命するよりも潰した方が良いと判断したのでしょう。てなわけで、グループ企業の役員とオーナーの間で対立が起き泥沼化。

タコ

そうしてグループ解体

結局の所、このグループ会社は倒産することとなったものの、銀行側からは売れるグループ会社は売って借金返済してくださいということとなり、西友がセゾングループから離れ、後にファミリーマートもグループを去っていくこととなるのです。

てなわけで、セゾン帝国は内から崩壊していってしまったのです。

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