国内組反旗。セブンの苦悩

セブンイレブン コーヒー流通業界

国内は飽和状態なもんで・・・

ドミナント戦略で近場にポコポコ新規出店をして、配送の効率化や店舗間の競争を競わせてきたコンビニ業界

今や最大手のセブンイレブンが2万店近く店舗を構え、コンビニ業界全体の店舗数は郵便局の数を超えるというのですから、これ以上の成長は難しいのでは?と囁かれていました。

てなわけで、先が厳しい国内を諦めて、海外に成長を求めるのは自然な流れ。

セブンイレブンが、その戦略をチョイスしたのは至極当然の話かなと映りました。

きっちり海外実績を上げているので

ファミリーマートが東南アジアできっちりと実績を上げている中、セブンイレブンの海外の主戦場は米国。

というのも、東南アジア地域は地場資本で、既にセブンイレブンが立ち上がっている状況。各地場の企業と提携するなりして、日本流の仕組みを導入するにも時間がかってしまう。

かと言って、必ずしもそれが最適解であるとは限らない。

ということで、比較的地場の力が弱い米国に活路を見出そうとしたわけです。

2018年に米スノコLPからGS併設型コンビニ約1000店を約3500億円で買収。セブン流の仕組みを導入することで、収益化に成功と幸先良いデビューを飾りました。

この結果に満足したのか、行けると思ったのか、今度はさらに規模の大きいGS併設型コンビニの触手を伸ばしました。

マラソン・ペトロリアムの小売部門「スピードウェイ」が運営する約4000店のコンビニ買収。金額はこれまたとてつもない約2兆円。

セブンは勝負に出たと言ってもいいでしょう。

が、市場の反応はひややかなもので、この買収を発表直後には株価は下落。

財務に大丈夫、セブンイレブン?となったわけです。

さらに追い打ちをかけたのが国内組でした。

まったをかけた国内組

セブンイレブンの約6割の営業利益を国内収益。その核となるフランチャイズから怨嗟の声が寄せられたとか。

国内のフランチャイズが苦しんでいる時に、そのお金を海外で使うのはいかがなものかと。使うなら、国内に使ってくださいよと。

まぁ、オーナーの言い分も全く持って正論ですが、思わぬ所からのまったの声にセブン側も、この買収を諦めることとなった訳です。

物言う株主よりも手強い国内組

この件を見るに、企業の事業戦略において、中の人の声に耳を傾けるということが発生した点。

これまでは、株主の方ばかりを見ていた経営陣が、従業員の主張を受け入れて方針転換したとも見て取れます。

今後はセブンイレブンに限らず、このような事が他の業界でも起きるのではないでしょうか。

成長戦略はどうなる?

とにもかくにも、振り出しに戻ってしまった感じのセブンイレブンの将来戦略。

国内重視とした絵を描くこととするのか、はたまた規模を小さめにした小粒の買収を目立たたぬようにしていくのか、今後の成長戦略が気になる所です。

アマゾンがアマゾンGOの仕組みを外販すると言っているし、これを使った小型店舗を多数作っても面白いのでは?

オフィスのロビーにセブン小型店があれば、需要はありだと思うのですが・・・

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