硫黄島よりも凄まじい攻防
今では人気の海外旅行先と知られるサイパンですが、第二次世界大戦中は日本の領土でした。
日本本土を米軍から守るべく最重要拠点と位置づけられたこともあり、激しい攻防が繰り広げられていました。
多くの犠牲を出した硫黄島よりも、その戦いは過酷を極めていた感じさえします。
結局は、日本軍の検討虚しく陥落してしまいますが、最後まで投稿せずに戦い抜いた日本軍がいたとはこの昨日で初めて知りました。
たった47名で米軍に抵抗
数では圧倒的な差がありながら、最後まで米軍に抵抗していた日本兵はたったの47名。さらに民間人を守るというハンデを負いながらの戦い。
山岳地帯に設けた自然の要塞と類まれなる戦術眼を持つ大場大尉が、米軍と対等に当たり合えたのだと思います。
ベトナムが米軍に勝ったように、自然の要塞というのはいつの時代も数以上の力を発揮するんだなと。
投降したいけど・・・
米軍では民間人、日本兵を収容する施設を完備し、食事や治療の手当をするなど人権を尊重した対応を取っていました。
捕虜になるまでは、米軍に捕まるとひどい扱いをされたり、殺されるといったデマが流れ、なかなか投降に踏み切れなかった民間人も多数いました。
が、米軍下で捕虜生活を送る仲間の声を聞につけ、次第に投降を希望する民間人が一人、二人と増えていきました。
その気持ちを察したのか、大場大尉は民間人を全員投降させることを決意。
別れ際、民間人から「早く山を降りたかった」という本音を聞かされ、大場大尉も心中穏やかではなかったはずでしょう。
終戦しても抵抗辞さず
終戦を告げる玉音放送がサイパン島にも流れ、安堵する民間人。そして米軍。これで日本軍との戦いにも終止符が打たれると。
最初こそ、徹底抗戦の構えを見せたものの、上官の命令により軍を撤退することを決意。
ここに長きにあたる米軍と日本兵47名との戦いに終止符が打たれることになったのです。
フォックスと恐れられた男
神出鬼没でこちらの動きが全て見透かされているのではと恐れられていた大場大尉。
その戦上手に米軍からはフォックスと恐れられていたとか。
彼の国に忠誠を誓うまっすぐな姿勢は、後に米軍から高く評価されようです。
それにしても日本軍の死生観には驚かされます。死を持って国に忠誠を尽くすという言動やシーンが数多く見られます。
この作品を見て色々な思いが去来しました。
最後に廃屋の中で唯一生き延びた赤子はその後どうなったのかが気になってしょうがありません。