日本軍人が台湾を救う
こんな映画のようなお話が実際に起きていたのに今の今まで世に知られてこなかったというのは驚きました。
話の内容は、陸軍中将根本博という人が蒋介石から受けた恩に応え、見事その恩に報いたというもの。
その恩とは台湾の建国と言ってもいいでしょう。
毛沢東率いる赤軍との戦争でほぼ敗色濃厚となった国府軍を助け、最後の最後に見事なカウンターパンチを食らわせたというもの。
このカウンターパンチが決まっていなかったら今の台湾はなかったと言ってもいいでしょう。
中国と台湾の歴史的背景を知るのにはもってこい
よく新聞などに取り上げられる中国と台湾の問題。中国にとって台湾は中国の一部であって独立国家ではないとう主張なんです。
というのも、第二次世界大戦後に、ほぼ完膚なきまでに台湾、当時で言えば国府軍を叩きのめしたわけです。
中華人民共和国の建国が全世界に発信したのもこの戦争の勝利を確信したものと言ってもいいでしょう。
なのに、台湾を独立国家と認めるものだから、この戦いの勝者は未だ決まらず休戦状態ですよと言っているようなもの。
中国が気分を悪くするのもわかるような気がします。
日本の軍人って頭の良すぎ
これも全て赤軍VS国府軍の最終決戦で国府軍が勝利したことが大きく影響しているのでしょう。
上海、重慶、厦門を制圧され、台湾に逃げ込んだ国府軍。両国の間にポツンと存在する小さな島、金門島が最後の砦となりました。
で、陸軍中将根本博は国府軍の軍事コンサルというポジションで次々と司令官に進言に行い、赤軍の上陸地点を見極めて上陸させてから一気に殲滅させる戦術を取ります。
加えて島に上陸した船を全て焼却することで、再び大陸への足を奪い、かつ増援部隊が送れない状況を作り上げたのです。
この一連の戦術を知り、この陸軍中将根本博という人がいかに頭の切れた人であるかがわかりました。
日本軍人は論理的というよりも根性論がまかり通る集団かと思いましたが、中には優れた人もいたんだと関心させられました。
なぜ歴史上から葬り去られたの?
では、何故、ここまでの大勝利をもたらした陸軍中将根本博がピックアップされてこなかったのか
台湾にとっては、この劇的な勝利を日本人の手を借りていたというのも、口が裂けても言えなかったのでしょう。
そっちの方が民意発揚にももってこいですし・・・。ということもあってか日本でも長く知られていなかったのです。
でも、こうして書籍として世の知ることとなり、嬉しい限りです。とにかく感動しました。映画化されることを切に願うばかりです。