コレで2度目。何度読んでも面白い「項羽と劉邦」

司馬遼太郎作品、項羽と劉邦

歴史小説好きの人なら必ず通るであろう項羽と劉邦。初めて読んだのが高校生の時。当時、三国志にドハマリ。

三国志ロスを穴埋めしようと手を伸ばしたのが項羽と劉邦

三国志を比べると個性豊かなキャラが少なく、物足りなさは感じましたが、ダメ男の劉邦が中国を統一させていく物語は強く心に残りました。

戦争

ダメ男の劉邦がなぜ、中国本土統一をなし得たか

項羽と劉邦は、三国志に比べるとかなり話は単純。

この両者の戦いがメインだから、勝者が中国を統一できる。

なので、幾度となくこの2人は戦いを繰り広げていきますが、必ずと言っていいほど、劉邦が負ける。

生まれた時代が悪かったのか、劉邦が弱いのではなく項羽が強すぎるのです。

その強さ、中国の歴史を振り返っても、ほぼほぼNO.1でしょう。

負ける度に劉邦は口にします。「俺は項羽には勝てない」「誰か将軍を変わってくれ」と。

リーダーたるもの弱い所を部下にさらけ出すのはまずありえない。

どんなしんどい時でも、部下の手前、凛としていないとと思うわけです。

が、が、この弱さ、素直さが部下を奮い立たせたることに繋がり、この人のためなら命をかけててでも助けてあげようと思わせちゃう

何か不思議な磁力が優秀な人材をどんどんと引き込んでいきます。

戦争

信じるのは自分自身項羽

一方の項羽は正反対。俺についてこいタイプで、とにかく部下を信じない。信じるのは自分だけ。

優秀な人材はいたものの、彼らからの進言に耳を傾けず、軍師とも言える范増を失ったのはそれが理由です。

項羽軍の末期には、優秀な部下はほとんどいなく、側近には無能な親類縁者だらけだったと言うのですから、これでは劉邦の下で働いた方が出世の目はあると思うのも無理はありません。

呂布よりも強い項羽

2度見して気づきたのが、項羽の比類なき強さ。

三国志最強の武を誇る呂布をも凌ぐ強さじゃないでしょうか。

彼の名を世に轟かせたのが秦軍との趙での戦い。

軍勢としては2万vs10万。敵方の軍勢が5倍もの差があったらまず負けですよ。

が、退路を絶たれたほど人間はいつも以上の力を発揮するようで、先頭を走る項羽の背中を見ながら、各所で秦軍を撃破。

結果的に秦軍の撃破に成功し、これをきっかけに項羽の名が世に知れ渡るようになったのです。

戦争

勝敗をワケたのは食

結果的に劉邦は一度も項羽との戦いには勝っていません。

というのも項羽が自ら命を絶ったからです。

が、そこまで追い詰めたのは漢軍の戦術が成功したと言えます。

それが兵糧攻めです。劉邦は穀倉地帯を抑えて戦に備える、一方の項羽は兵糧を運び込む距離が伸び切って輸送がうまくいかず、現場の兵糧は底をつき、楚軍は飢えと戦いを強いられるようになったわけです。

結局これが楚軍にボディブローのように効き、兵士がどんどん離脱していき、兵力がガタ落ち。鬼神、項羽でも30万の軍勢には勝てず自ら命を絶つことを決心しました。

にしても、2度目はリーダー論を学んだ気がしました。

弱さをさらけ出してもアリなんだなと。