マイナー国家、宋を舞台にしたお話だよ
春秋時代を彩った強国と言えば、楚、斉、晋、戦国時代では魏、趙、韓、斉、秦でしょう。
で、これらの強国を相手にのらりくらりと生き延びていったのが鄭、魯、そして本作品の舞台となる宋です。
弱小国ながら、強国の無茶振りにも屈せず、弱小国ながらも対等な立場で外交を行うスタンスは目を見張るものがありました。
盟主としての面子を保つ晋国
中原の覇者として君臨していた晋と南方を中心に勢力を広げる楚。この2大強国の時代と言ってもいいでしょう。
本作品で描かれている時代は名君の誉れ高い重耳没後で、彼の後に襄公、霊公、成公、景公が国政を担い、かつ中華の盟主として周王朝を助ける立場は一応キープしていまいました。
とは言え、派閥争いで足の引っ張りあいはひどく趙盾、士会といった歴史に名を残す人物さえ苦労していたほどです。
春秋五覇の名君荘王を擁す楚
斉の桓公、 晋の文公(重耳)、秦の穆公と並び称される名君荘王の時代で、楚が最も勢いのあった時代と言ってもいいでしょう。
周王朝に遠慮して王の名を控えていた各国の君主をよそに自らを王と名のり、宿敵のライバルである晋との戦でも大勝。
そんな当時、中国最強国家を相手に宋は戦うことになってしますのです。
強国楚に一国で対峙
ことの発端は、ウチのグループに入れやという楚の無茶振り。
晋に大勝して中華全土に敵対するものがいなくなり調子づいていたのでしょう。
とは言え、晋を盟主とするグループに属していた宋は、断固拒否。
合従連衡が当たり前であった時代にあって、宋の態度は諸外国に対して驚きを持って受け止められました。
この男気に応えるべく、本来ならグループ長の晋が援軍を送るべきなのに、大敗した直後だけにとてもじゃないけど援兵を送ることなどできない。
てんなわけで、弱小国一国で大国楚を相手にすることになったのです。
主役は宰相、華元
楚を迎え撃つこととなった宋は200日に及ぶ籠城戦のすえ、楚国を根負けを引き出し、何とか和平に持ち込むことにことに成功。
この外交を成功させたのが宰相の華元、本作品の主人公です。
さらに犬猿の仲とも呼べる楚と晋の和平を成立させ、中華の本土に平和をもたらすことに成功。
当時、彼ほど中華の平和を愛してやまない人はいなかっったでしょう。
重耳没後から華元が亡くなる紀元前572年の約50年間で凄まじく歴史が動き、その渦中で主導的立場で歴史を作ったのが華元と言ってもいいでしょう。
これでまた春秋戦国時代の面白さを学び知ることができました。