久々に読む手が止まらなかった小説
某自動車メーカーをモチーフにした架空の自動車メーカーを描いた本作品。
今からちょうど20年位前から話が進み2016年現在までの流れを追っています。
小説に出てくる出来事、例えば世界初のハイブリッドカー誕生やら、米国でのSUV販売、世界を揺るがしたリコール事件などなどこれ現実に起きた話じゃんというものばかり。
フィクションとはは言いつつも、登場人物を実在する人に当てはめて読み進めた方も多いはず。
かくゆう自分もその1人。という訳で、久々に次の展開はどうなるの?という気持ちが先走りあっという間に読み終えました。
強烈キャラクター武田剛平
自動車メーカーの豊臣の社長、武田剛平。とにかくこのキャラクターのスケールのでかさに終始圧倒されっぱなし。
ほぼ左遷状態でマニラに異動となったものの、豊臣のトップの座まで登りつめたのですから。
企業の社長となるとクリーンなイメージが先行しますが、この社長、ダーティな部分も一級品。マニラ時代では、金を踏み倒そうとする現地マフィアと対等に渡り合い、きっちりお金を回収するわ、仕事を円滑するために財界政界に賄賂をばらまき仕事の優位に進めようとする才覚。
一介のサラリーマンのくせにそんな資金はまずないのに、絵画や骨董品を売るなどして資金を作っていたのですから。
今では確実にアウトでしょうけど、その位の裏の世界にも顔を突っ込み認められるほどでないと大企業の社長は務まらないんだろうなと。
その経験が後の会社経営にも活かされていくのでしょう。どんなトラブルにもひるまずに対処する姿、反対派にグーのねも言わせないほどの論理的思考。
部下はさぞ大変だったと思います。
ロビイストって何?
本作品に出てくるロビイストという職業。
平たく言えば口聞きみたいなもんでしょうか。
電話1本でツーカーの中となり、例えば工場を建てたいんだけど、優位に事が運ぶようにバックアップしてよ。献金はしっかりするからというもんでしょう。
このロビスト、アメリカではちゃんと職業として認められているでそうです。
日本では馴染みが薄いかもしれませんが。
豊臣のアメリカ市場の成功の裏、交渉の裏には、このロビイストの活躍が大きく寄与しているそうです。
アメリカを本気で怒らせたらあっとゆう間に企業は倒産
出る杭は打たれるじゃないですけど、あまりに業績が良いと政府からもライバル企業からもやっかみを受けるのはよくある話。
が、その度が過ぎると徹底的に潰しにかかるのがアメリカというのですから、ビジネスの怖さを知りいました。
色々と勉強させられた小説でした。