散々だったよ。第二次十字軍遠征

十字軍物語書籍レビュー

十字軍国家を樹立したは良いけれど

十字軍国家を樹立したは良いけれど、聖地解放後は、実家に戻る人が後を立たず、慢性的な兵力不足に悩まされていた十字軍国家

イエルサレムに加え、衛星防衛都市エデッセ、アンティオキア、トリポリと戦線は広がり、防衛にはとって不向きな状態が続きました。

少ない人数で、数に勝るイスラム勢と台頭に戦えたのは、ある意味奇跡に近いと言ってもいいでしょう。

とは言え、限界を迎え、衛星防衛都市ともいえるエデッセをイスラム側に攻め落とされてしまいます。

北部から攻めてくるセルジュークトルコ人の防波堤として機能していた都市ですが、ここが陥落したことでイエルサレムの防衛がさらに深刻になったのです。

王様降臨。戦力十分

この状況を知ってか、知らずか本国では第二次十字軍遠征の計画が立ち上がることになりました。

第一次は有志の集まりとでも言いましょうか、各地方の諸侯が立ち上がり、烏合の衆と揶揄されるも開放という目的を達することができました。

で、第二次十字軍は、これらの諸侯を束ねる王様が満を持して参戦。時のフランス王とドイツの王様が自身の兵を率いて聖地、イエルサレムへの遠征を敢行したのです。

イスラム側に奪われたエデッセの奪還はもちろん、さらなる領土拡大も期待したことでしょう。

セルジュークトルコ戦でいきなり完敗。

とてつもない期待を背負った第二次十字軍ですが、最初のイスラム勢との戦いとなるセルジュークトルコ人の戦いでは完膚なきまでに打ちのめされ、早々に進路を変更。

第一次十字軍では完勝した相手なのに、全く歯がたたない。といのも第一次十字軍遠征から40年の歳月の間、セルジュークトルコ人側の武器や防具、そして戦術もかなり進化していたんですね。

と考えると、欧州側は、全く進歩していなかったってことになります。

4日間で撤退って。マジか?

海路を使い、何とかイエルサレムまで到達した第二次十字軍ですが、何を血迷ったか、奪われたエデッセに向かえば良いのに、中東の大都市、ダマスカスを攻略を選択します。

ダマスカスを攻略することで、十字軍ここにありと高らかに宣言したかったのでしょうか・・・

が、ダマスカス攻略もこれと言った成果を上げることもできず、エデッセから英雄ヌラディンが向かっていることを知り、わずか4日間で撤退することに。

その後もリベンジとは行かず、フランス王もドイツ王も本国に帰国されることとなったのです。

イスラム側の英傑、ヌラディン登場

てなわけで、第二次十字軍遠征前と同じ、慢性的な兵士不足に悩まされる状態に逆戻り。

加えて、仲の悪いイスラム勢をまとめる英雄ヌラディンが登場し、益々苦しい戦いを強いられることになったのです。続く。

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