ドコモの値下げプランの破壊力
政府からの要請で値下げを求められている大手3キャリア。格安ブランドで対応するなど場当たり的な対応をしてお茶を濁していました。
が、菅さんが首相になったことで値下げ圧力はさらに高まり、これまでの小手先の対応では納得してもらえない。
てなわけで、業界最大手のドコモが、他社に先んじてメインブランドでとんでもないプランをぶち上げました。
「ahamo(アハモ)」と命名されたこの衝撃プランは、データ容量20GBで月額何と2980円。ドコモユーザーの僕にとっても、このプライスはびっくらこきました。
値下げを迫られる格好となったSoftbank、KDDI
SoftbankはYモバイル、KDDIはUQモバイルとサブブランドで値下げ圧力に対処してきましたが、最大手のドコモが格安プランをぶちあげた事で、SoftbankとKDDIもメインブランドでの値下げプランを迫られる格好なりました。
早速、Softbankは、2020年12月21日に新プラン「Softbank on LINE」を発表。料金はドコモと一緒の2980円。利用データ容量もこれまた一緒。4Gだけでなく5Gも使えるというこれまたドコモと一緒。
どれもこれもドコモと一緒となり、真っ向勝負といった感じ。
KDDIは2021年1月中には新プランを発表する予定ですが、こちらも先行する2社と同様のプランを提示してくるでしょう。
となると、大手3キャリア全てて、月額約3000円のプランが出揃うことなり、益々、格安が売りのMVNOが苦しい立場に追いやられることは必至でしょう。
2980円ってありえないんですけど・・・。
大手3社による寡占状態に風穴をあけるべく第4の携帯会社として2020年にサービスを開始した楽天。
当時は2980円という破壊的な価格で、プランは一つという非常にわかりやすいサービスで大手3社との違いを鮮明に打ち出しました。
が、今となっては、この2980円も色あせてしまった感が否めません。しかも通信エリアが大手3社比べると貧弱。さらなるお得感を出さないと厳しいでしょう。
MVNOにいたっってはもっと悲惨。20ギガバイトプランの平均料金は4000円前後。これではMVNOを選択する意味がありません。
MVNOは大手3者から通信回線を借りて運営していますが、これが高すぎるということで大手3社はしぶしぶと値下げを受け入れました。
ところが蓋をあけてみたら、2980円というプランを打ち出せるのですから、値下げできる余地はまだまだあっということを露呈したようなもの。
今回の大手3社の格安プランの発表を受け、MVNO陣営はさらなる通信回線のレンタル料引き下げを求めないと商売的には苦しくなってくるでしょう。
値下げで1000億円前後の減収を覚悟とは言うけれど
大手3社の格安プラン導入は、これまでの収益構造を大きく変えるきっかけともなり、ドコモでは動画、漫画、音楽などのコンテンツ事業を強化していくとのこと。
格安プラン導入による減収幅は1000億円前後ともなり、これをコンテンツ事業を補完していくのは相当ハードルが高いとも言われています。
実際には、あるアナリストの試算によれば減収幅は350億円前後と想定の半分以下とも言われていますが・・・。
加入者増で減収を補うが真の狙いか?
とにもかくにも減収は避けられない状況ですが、大手3社にさほど焦りの色は感じられないとか。
というのも、格安プランの導入でMVNOなどに流出していたユーザーを取り戻すなどの加入増を見込んでいるからです。
確かに今のままではMVNOに加入している意味はない。それを狙ってか、コスト的な問題からか、ドコモの格安プランの加入条件はネット経由のみとのこと。
MVNOユーザーの多くはネット経由でのサービス加入には慣れており、お引越しのハードルも低いと踏んだとも思われます。
となると、さらに大手3社の寡占化が進むとも言われ、値下げにより寡占化がさらに強まるというのは何とも皮肉な話だと思った次第です。