コロナで起きた地殻変動
コロナによりテレワークが鬼の勢いで普及したこともあってパソコンメーカーは久方ぶりの特需。どこもかしこも増産。それにつられて半導体メーカーも大忙し。
ところがコロナが落ち着きクルマの需要も急回復。クルマ向けの半導体も用意しなきゃと準備をすすめるパソコンなどの他の業界向けへの生産で手一杯。
こうして業界による半導体の争奪戦が勃発し、世界的な半導体不足が起きているのです。
今では在庫回転数が長い方が好評価
例えばある中古車のお店が在庫回転率が1ヶ月とした場合、仕入れてからクルマが販売されるまでに約1ヶ月かかるという計算。時間が経つに連れて評価額は下がってしまうので、在庫回転率の数字が小さければ小さいほど会社の経営として良しとされます。
ところが今の半導体業界ではむしろ長い方が評価されるようです。
日本の半導体メーカールネサスでは、2021年4-6月の在庫回転数は約81日。3年前の2018年が約109日ということでかなり短くなっています。
が、供給が逼迫している中では供給体制に難ありと評価されてしまうことも。2021年3月に起きた災害のような万一のトラブルに見舞われるようことにでもなれば、通常時に回復するまでかなりの時間を要してしまうようです。
在庫積み増し作戦発動
火災後から復活までに時間を要してしまった失敗を繰り返さない、供給不足を解消すべくルネサスでは原材料の調達先を増やしたり、前工程のウェハーの在庫を増やしたりなど在庫を積みまして現状の需給逼迫に取り組んでいます。
海外勢も同様に厳しいっす
海外勢のTSMC、米インテルなども同様に需給ひっ迫に必死になって取り組んでいる模表。両者ともルネス同様、在庫日数が100日を切る、予断を許さない状況は一緒
中の人いわく、在庫日数を130-190日まで増やしたいとい考えているようで、そこまで日数を確保できれば今のようなバブルも落ち着いてくるのでしょう。
祭りの終焉が怖いよ
日本の半導体復活かと囃し立てる声も聞かれますが、ルネサンス誕生までのドタバタ劇やらその後経営難などを見ると、そう簡単に設備増強とは行かないでしょう。
旺盛な需要が今後も続くと見て、設備投資したものの無駄に終わったという話は枚挙にいとまがありませんし・・・
半導体需要の動向も気になりますが、ルネサスの今後の動向を特に注視していきたいと思います。