あのトヨタがサブスクの衝撃
2019年頃に広まり始めたサブスクリプション。月額定額で使い放題が売りのこのサービス。音楽配信などで注目が集まり、他業界にも広がりを見せました。
とは言え、必ずしもこのサービスが成功するとは限らず、スーツのサブスクは早々にサービス中止に追い込まれました。
このように難しさもはらむサブスクですが、そんなもの百も承知。クルマ業界もこのサービスに参入。それも手堅い商売で知られるトヨタ
利用件数累計5200件。KINTO
2019年、KINTOというサービスを開始。点検整備などの諸経費込み込みでトヨタ車乗り放題。
サービス開始から約1年近く経過しましたが、20年6月時点の累計申込数は約5200件。新車販売が年間520万台と比較すると普及にはまだまだ時間がかかりそう。
サブスク導入で退場してしまった企業と同じ末路を辿るのではと思いましたが、中の人の反応はきわめて良好。
というのも利用者の多くは、トヨタ車じゃないユーザーだとか。
他銘ユーザー獲得に苦労が絶えないクルマ業界によっては、サブスクは新たな収益源になるポテンシャルを秘めているかもしれません。
中古車のサブスク始めました。ホンダ
業界の盟主がサブスクリプションを始めたことで、他社もこの動きに便乗。
2020年1月にはホンダが参入。最短1ヶ月と短期間で利用でき、使用できるクルマは中古車とのこと。
保有年数が長くなるにつれ、高年式の玉が市場に出回りにくくなっている昨今。とは言え、低年式車をいつまでも在庫しておくのは経営的にもよろしくない。
サブスクで稼働してあげれば在庫削減にも繋がりますし、サブスク車を購入してもらえれば儲けもの。
これまでの中古車の主な収入源はオークション出品などの卸と小売。そこにサブスクが育ってくれれば中古車の経営もグンと楽になります。
若者をターゲットに。三菱
2020年10月には三菱も参入。ターゲットはクルマ離れが進む20-30代の若者。ekワゴンが5年契約で月約3万円。新車購入と比べて約23万円安いとのこと。
週末にレンタカーを借りてドライブする層にとっては、こちらの方が断然安く収まりますし、携帯の2台持ちと考えれば利用に際しては、さほど負担になりません。
免許返納がサブスク利用を促すかも。
現役世代のターゲットにしたサブスクですが、新たな需要としてシニア層に注目が集まっています。
免許返納検討している層にとって、新車購入はちょっと躊躇するようで、保有期間中に免許返納ということもありえる。
いつまでクルマに乗れるかわからない不安を抱えるなら、いつでも簡単にやめられるサブスクも選択肢の一つに考えられます。
例えばKINTOの場合は、3年契約の場合、免許返納が理由であれば契約期間中でも解約料は発生しないという良心的な制度設計。
サービスを始めてみて、思わぬ所で需要が発生するというのはよくある話。
この先も色々な方面でサブスクの需要が広がることが予想されます。
かく言う自分もこのネタを書きながら利用してもいいかなと心を動かされました。