コロナ禍なのに求人倍率7.29倍だと
コロナ禍で失業率がじわじわと上がる中、時を同じくして求人倍率も1%を切る時代に突入。
コロナ禍前の人手不足が嘘だったかのように、飲食業界などは今では余剰人員のカットに苦心しているのですから・・・。
そんなお先に真っ暗の状態の中で、ひと際輝いているのがIT人材。転職サービス「DODA」によれば20年11月のIT人材の求人倍率は7.29倍。
そもそも人手不足感のあった業種ですが、コロナ禍でオンラインをメインとした活動が広まったことも人手不足に拍車をかける格好となったのでしょう。
加えて国や自治体のIT人材獲得の動きも少なからず影響していると思われます。
常勤でなくてもいいよ。期限付きという優遇措置も
国や自治体によるIT人材の獲得に向け、働きやすい環境づくりにも配慮。例えば農林水産省では、3年間の期限付きというもの。
東京都では常勤、非常勤という条件。
さらに菅総理肝いりのデジタル庁は副業もOKという条件で民間からも人材を募集。ある企業のシステム開発に従事する傍ら、国のシステム開発にも従事するという人もでてくるでしょう。
お給料の面でも破格の条件提示でも民間レベルでは・・・。
さらにお給料の面でも、かなり気合の入った条件を設定。
デジタル庁の場合、非常勤勤務社に対して、最大年収換算で約1千万円。
農林水産省も45歳で配偶者、子供2人の場合には約1千万円のお給料を用意しているとか。
とは言え、この手1千万円プレーヤーともなると、民間ではもっと給料が高くなる可能性があり、必ずしも魅力的なお給料とも言い切れない。
とは言え、国に仕える、日本に未来に貢献する仕事という誇りという点で、給料は民間に比べると多少低いけど、働きたいという思う人がいるかもしれません。
国、自治体、民間で激しい人材獲得合戦
民間でもIT人材が逼迫する中、国、自治体も本腰を入れたことで、IT人材獲得をめぐる戦いはさらに激しさを増すこととなるでしょう。
そもそも日本の国、自治体に使える公務人材は、IT人材の中でわずから0.5%。対して米国のそれは5.6%と約5倍。
中国、ロシアにいたってはもっと多いことでしょう。
この点においても、いかに日本が海外に比べ遅れていることが伺いしれます。
待たれる、国を挙げたIT人材育成プログラム
IT人材の不足を受けてか、小学校でのプログラミング教育が必修化されたり、民間レベルでも小中学生にプログラミングを教えたりするなど色々な動きが見られます。
小さな頃からプログラミング教育を受けた子たちがさらなる成長を志向できるようなのか定かではありませんが、20222年度には国家公務員試験にデジタル人材向けの試験も導入するとう動きがあります。
腕試しなのか、好きなプログラミングで飯を食いたいという人材にとっては大変ありがたい制度であることは間違いないでしょう。
公務に使えるIT人材があまりにも少ない日本ですが、これらの育成プログラムがしっかりと周り始めれば海外との差は縮まり、さらにはその先を行くかもしれません。
ものづくり大国からIT大国へ。そんな日本を見てみたいものです。