恐ろしいスピードで飛び交う宇宙ゴミ、デブリ
宇宙飛行士が広大な宇宙の真ん中に放り出され生き残りをかけ奮闘する映画ゼロ・グラビティ。便りになるのは宇宙船から伸びたひも1本。真っ暗な宇宙にぽつねんと取り残されるだけれも怖いのに、宇宙ゴミ、デブリが飛び交い命の危険にさらされることもしばしば。
このデブリというものが、フワフワと浮遊しているものではなく、高速で地球の周りをグルグルと回っているもの。そのスピードはライフ銃の弾丸の7倍。数は大きいものから小さいもので約1億個以上。
まず運悪く当たってしまうようなことになったら、まず即死と言ってもいいでしょう。
磁力を使ってデブリを回収
この宇宙をさまようゴミこと、デブリを回収すべく様々な回収方法が考案され、かつ運用されています。
まずは磁力を使ってデブリを回収するというもの。この分野のスタートアップ企業、アストロスケールが開発したもので、その仕組とは、衛生機器に最初から磁力を持つパーツを組み込んでおき、お役目終了となったら、回収用の衛生機器を飛ばします。この衛生機器も磁力を持つパーツが組み込まれており、宇宙上で磁力を使って回収するというもの。
磁石の力を宇宙空間で使うなんて、物凄くロマンを感じます。
ひもをつかってデブリを回収
続いては紐をつかってデブリを回収するもので、宇宙上に磁場を持つひもを放つと、進行方向とは逆の力が生み出され、グルグル回るデブリを動きを止めて大気圏に落ちて消失するというもの。
開発したのはこれまた日本企業のエールという会社。ひもそのもので補足するのではなく、動きを止める言わば編みのような効果を発揮しているといった感じです。
レーザーを使ってデブリを回収
デブリはそもそも衛生機器などが中心で、言わば人間が作ったもの。それがグルグルと地球の周りを回っており、PL法に照らせば、作ったんだから最後まで面倒みてよということになります。
ので、最近ではデブリ対策がきっちり施された衛生機器が増えているようで、今後はこれまでほどデブリは多く発生しないでしょう。
老舗のスカパーではレーザーを使ったデブリの回収を目指しています。大きなデブリから小さいデブリまで、このレーザーにかかれば、どんなデブリでも大気圏に撃ち落とすことができるというもの。
とにかく継続してレーザーを当て続ければ、8トン級のロケット部品でも3ヶ月で撃ち落とすことができるとか。
ゴミを増やさない未然の努力
衛生機器同士が衝突して大事故に発展するというのもよくある話。実際に2009年に米国の通信衛星に使用済みのロシア衛星がしょうと吸い、大破した事故が実際に起きています。
このような事故をなくすために、IHIはデブリの監視サービスを提供しています。
ぶつかりそうな事故が起きそうな場合は、未然に衛星機器を飛ばした会社に軌道修正を依頼するなどの連絡をしているとか。
来る高速インターネット網のため
将来的には衛星電波を使ったネット通信網が利用できるようで、アマゾン、スペースX、中国企業などが中心になって開発が進められています。
となると、今よりも衛星機器が増えることとなり、デブリ対策もより重要度が増すことでしょう。
日本も乗り遅れないように頑張ってほしいと思った次第です。