群雄割拠、地銀の覇権争い
マイナス金利などで近年、経営に苦しむ地銀は、そのほとんどが赤字状態ということもあってか、合従連衡が現在盛んに行われています。
その中で、SBIホールディングスの地銀向けの救済策は目覚ましい成果を上げています。このままSBIホールディングスを長とした地銀連合が成立するのではないかと。ある意味、外野のSBIホールディングスですが、地銀の中の人はウェルカム的な歓迎ムードもあり、このまま進むのかなと思いきや、新たな動きも出てきました。
それが今回紹介するりそな銀行です。
合従連衡の新たな形。API連携?
これまでの地銀の連携は、資本提携やシステム統合ん、店舗の統廃合というものでしたが、りそなの掲げる連携はAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)での連携。
これまでの連携とは違い、かなり緩やかなものであるものの、その連携効果は、成功に終わればこれまでのものとさほど遜色ないのかなといった印象。
で、りそな銀行が白羽の矢を立てたのが京葉銀行でした。
なぜに、京葉銀行
りそな銀行の主な市場は地場の埼玉を中心に千葉、東京、神奈川。んで、今回の京葉銀行のメイン市場である千葉は、同県で千葉銀行に続き、2位のシェア。
千葉県内企業のメインバンクシェア2位の銀行とAPI連携を組むことは、りそな銀行にとってかなりメリットがある。というのも同県では京葉銀行のシェア14.2%に対し、りそな銀行のそれはわずか1.1%という惨憺たる状況なのですから。
まず近隣地域を固めていくことが狙い
りそな銀行は、京葉銀行以外でも提携を進めています。複数の投資信託を組み合わせて運用する「ファンドラップ」の販売に関しては横浜銀行と連携、バンキングアプリでは、茨城県の常陽銀行、栃木県の足利銀行などと提携。
各地域の一番ではなく、2番手との提携を重視している所も見逃せないでしょう。
このようにまずは近い所と連携を深めていき、行く行くは全国に広げていく可能性は大です。特に関西、名古屋は第二地銀がゴロゴロ。どこも経営が苦しい状況。
APIというこれまにはないゆるやかな連携であれば、拒否反応の小さくすんなりと受け入れる可能性が高い。
名古屋、愛知、中京と第二地銀が多い愛知県はりそな銀行にとっては魅力的な提携先に映ることでしょう。
とにもかくにも、街の頼れる銀行屋さんとして、これからも地銀に頑張って欲しいと思った次第です。